こじらせ雑記

三十路チビデブ独身無職子供部屋おじさんはこれから人生をどう歩むのか。 好きな事、思った事をコンプレックスに乗せて吐き出します。

日雇い派遣は人扱いされない話。

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日雇い派遣でバイトしてみた。

短期間で簡単軽作業☆最短一日から☆的な求人を見たことはあるだろうか。
派遣会社に登録して工場やら物流センターやらでひたすら荷物を運んだりベルトコンベアーに物を流したりするアレだ。

人生で2回ほどやったことがある。

 

一度目は池袋から意気消沈で帰ってきて2ヶ月ほど経った頃。

意気消沈してた話はこちらから。

tyome-tyome.hatenablog.com


厚木にある食品工場だった。
この時はアルバイト派遣という日本社会の闇を全く知らなかった。

 

まず派遣会社に勝手に仕事を振られるところから始まる。
交通費出ないのに日給は最低賃金ギリギリとかいうふざけた案件だった。
上溝からは遠いのでお断りします、と連絡するとすぐに電話が掛かり、

 

「ええっ!?遠いですか!?」


と威圧的な驚きをされる。

そもそも求人広告には「市内多数あり☆近場でサクッとお小遣い稼ぎ☆」なんて銘打ってたもんだからちょっとイラッとした。
いや遠いだろ。そもそも市内の案件に応募しても全然採用されねえじゃねえか。
そんならもうしょうがねえ行ってやるよと思い行ってみることにした。

 

ちょっと派遣さん!!

時間通りに工場に着き、点呼に応じる。
派遣会社名と自身の氏名を告げ、同じ派遣の経験者に案内される。
衛生的なアレに着替え、大きな食堂で始業を待つ。

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中では工場直轄のパートさん達がワイワイ談笑していた。

何もわからないので空いている席に着くとすかさず

 

「ちょっと!派遣はアッチ!!」


っと強めにシッシされた。指差す方には「派遣専用」と書かれたプラカードが机の中央にあり、少ない席に派遣同士身を寄せ合い座っていた。
対象的に直轄のパートさん達は広々とテーブルを使う。
あーこういう感じなのかあと理解した。

 

その後始業直前になり、数台ある洗面器で手を洗う。
普通に皆と同じ様に並んでいると、

 

「ちょっと!!派遣はウチの人達が終わってからっ!!」


と詰められる。ああ、はいどうもすんませんとまた後ろへ並び直す。
僕の後ろに並んでいた直轄の若い女の子に対してそのパートのおばちゃんは

 

「ほんとヤになっちゃうわよねえ(笑)」


と話している。若い子は苦笑いをしていた。

 

この辺で理解から確信に変わった。この工場では派遣は人扱いされない存在なのだと。
まあ受けちゃったもんはしょうがないからとりあえず受けた仕事は迷惑を掛けないようにしようと業務に望む。

 

その工場はインスタントコーヒーの粉をプラのスティックにパッケージングする工場だった。
僕の担当は、運ばれて来る一袋25kgの粉をひたすら機械に補充し、十数歩離れたところから次々と出てくるスティックを箱に詰めるという仕事だった。

そのスティックが排出される機械の周りには5~6人のおばちゃんが別の作業をしていたが、周辺をバタバタ行ったり来たりしているのは僕だけだった。

重い袋を持ち上げ機械まで運び、封を開けて粉を流す。そうしている内にスティックは次々と機械から流れ出す。

 

ちょっと派遣さん!!粉入れすぎよ!!
派遣さん!!スティック溜まってるわよ!!
ちょっと派遣さん!!粉切れちゃったじゃない!!

 

まず何故距離のある別々の作業を一人の人間にさせるのか。
一人でやらせたいんだったらロケーション考えろ生産技術いるんか?今すぐ工程改善しろと今では思えるが、当時は製造業に従事したことがなかったため、あたふたしながら8時間を乗り切った。
退勤する時に「お疲れ様です、お先失礼します」と挨拶をしたが、返してくれる人は一人もいなかった。

 

こんな所で働いていたら人間ではなくなる。そう思った。
同じ様な待遇を受け、黙って仕事をこなす派遣の人達が信じられなかった。
派遣連中で眼に力が宿っているような人は一人もいなかった。皆人生をどこか諦めているようなどんよりした雰囲気を感じた。

そのせいもあってか、その後すぐに就職する事になった。

 

やはり人扱いされない。

人生2回目は、緊急事態宣言が出るちょっと前の3月中旬。腐りかけていた所を前職の上司に励まされ、とりあえず日雇いでもなんでもやってリズムを作ったほうがいいとアドバイスを受け、大手物流センターで日雇いのアルバイトをした。


日雇いの派遣への扱いはやはりどこでも変わらなかった。
なんならこういった物流センターでは同じ給料でも年齢や性別によって仕事内容が全く違う。
同じ派遣会社から派遣された他の3人は僕を含め全く違うジャンルの人達だった。
女子大生、主婦、定年過ぎたおじさん、そして僕。

それぞれ振られた業務内容のキツさが違いすぎる。もちろん僕は一番筋力を使う業務だ。
個人的な見解だが、男女雇用機会均等に気を遣いすぎるあまり、確実に一昔前より業務内容に差異が生じていると思った。
業務が違うのは別にいい。これで同じ給料か?という疑問が常について回る。
まあ、そんな事考える人は派遣なんてやらないのだろうが。


前回の派遣から数年経ち、組織や上長の指示というものに敏感になっていたので、指示待ち人間に徹した。
気を遣って勝手に動いてしまうことが、事故や人災に繋がってしまうことは前職で嫌という程学んだ。

そんな態度を取っていると、やはり気に食わないと思う正社員はいる訳だ。

 

ちょっと派遣さん!!何ぼーっとしてんの!?
ゴミ箱いっぱいじゃん!!見てわかんないの!?袋取り替えてよ!!

 

放置しておいてよく言う。

袋が見当たらないのですが、どこですか?

 

え、袋!?えーっと…どこだったかな…。もういいからアレやって!!

 

今まで聞かれたこともなかったんだろうと思った。


その後も仕事をこなしては仕事がなくなり放置、指示され終えては放置が続いた。
なんだか派遣側も外注してる側も、どちらも損をしている。
やはりこんなところには二度と来るまいと思った。
そして前回同様、やはりさっさと仕事を決めてやろうとやる気になった。

 

しかしそのやる気も虚しく、一週間後に最終面接で落ちて緊急事態宣言が発令され身動きがとれなくなるのだが。
詳細は下記記事にて。

tyome-tyome.hatenablog.com

 

せめて名前で呼んでもらいたい。難しいのだろうが。

全体的に暗くなってしまったが、日本が抱える社会問題の一つ「非正規雇用」。
その待遇の差に異論を訴える人がいるというのはニュースで知ってはいたが、実際にその境遇に立つとなかなかつらい。
正規雇用に就く人の中には、家庭の事情、自身の処理能力、リテラシー、様々な要因があるだろう。


派遣社員や派遣バイトが、せめて人扱いされるような世の中になる事を願う。

 

 

初めてお越しいただいた方、ここまでお読みくださりありがとうございます。
そして僕はこんな人間です。

是非この記事もお読みいただけたら嬉しいです。

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