こじらせ雑記

三十路チビデブ独身無職子供部屋おじさんはこれから人生をどう歩むのか。 好きな事、思った事をコンプレックスに乗せて吐き出します。

「オスみ」とは。~33歳再就職独身男性の非日常~

就職をし、記事を書かなくなってからどれくらい経っただろうか。


更新したくても前のような記事が書けるような気もせず、また就職してからの日々で特に何があるわけでもなく日々が通り過ぎていた。

 

今日は久々にこじらせたエモーショナルな出来事があったので今とても酔っ払ってはいるが記事に認めようと思う。

33歳独身再就職こじらせおじさん日常の一部だ。


今日は久々にほんのちょっとだけ早く家につくことができた。
すると地元の先輩から連絡が入った。地元で飲んでいるよと。来ないかと。


ちょっと早く家につくことができたと言っても、家に着き晩御飯を食べた時点で21時を回っていた。
その先輩はかなり特異な方で、一緒に飲んでいてとても楽しいし、今年に入ってから一度も会えてなかったので会いたくなった。行ってみることにした。

 

地元の飲み屋はほとんど行かない。一見さんではなかなか入りづらい空気しかない。
いわゆる地元に根ざしたスナック。
勇気を振り絞って言ってみようかと幼馴染と話はするものの、結局勇気が出ず入らずじまい。

そんなお店に一人でバンバン入っていく人が、このお誘いをしてくれた先輩だ。


「〇〇で飲んでるから来なよ!」


この人ともう一度飲みたいなと思い顔を出してみることにした。
〇〇という店も正直かなり気にはなっていた。

身支度を整え、すぐに飲み屋へ向かう。
歩いて数分のお店だ。

お店に入ると、いつもの上機嫌な先輩、そしてスラッとしたオトナな女性が隣に座っていた。
あーこれ、こういう感じか。


「太郎ちゃんどうする?俺の隣?それともこの娘の隣?」

 

先輩から開口一番聞かれる。
その準備を全くしていなかった。
今思うと、終始童貞丸出しだったように思う。

 

童貞「え、あ、いや、俺さんの隣がいいに決まってるじゃないですか!」
俺さん「…そうか!?俺の隣がいいか!じゃあこの娘と間挟んで座ろう!」

 

いきなり気を遣われてしまった。
こういうとこだよ。童貞感。これの正解はきっと

 

「彼女の隣がいいに決まってるじゃないですか!!」

 

だった。女性を立てる上でも、きっとそれが正解だった。
だが、もう心の病なのだ。童貞なのだ。
いきなりの状況に気持ちがまったくついていかず、恥ずかしさ紛れに目の前で起こっている状況から反射的に逃げてしまった。

 

先輩は彼女を僕に紹介しようとしていた。
店に入った瞬間それを察していたのに、反射的に逃げた。
これを童貞と言わず何を童貞と言うのだろうか。

 

席に座り、ビールを頼み乾杯する。
先輩はやはり察したとおり、いきなりぶっこんでくる。

 

「太郎ちゃん、今いくつだっけ?彼女いないんだよね?この娘どう思う?」


「え、あ、あの、33になりまして、しばらく彼女いないっす!とても素敵な女性ですね!」

 

0点。見事なまでに。ボケるわけでもなく。聞かれた事に普通に答え。反射的につまらない返しをする自分に嫌気が差した。


席に座り、見知らぬ女性に相対した瞬間から童貞だった。
いや、店に入った瞬間から童貞だった。
ちがう。入る前も、ずっと童貞だったのだ。

 

先輩と女性の間に挟まれ着席したが、女性の方を向くことができず、きっとつまらない思いをさせたに違いない。
今思うと、僕が着席した瞬間から見定めはきっと始まっていた。
コイツは♂なのかどうか。

 

こういうときの自分の対応に、酔っている今思い返しても苛立ちを覚える。
隣にいるのに目を合わせられない。話しやすい先輩に話してばかりで話を振れない。
まだ酔っていないというのもあるが、掴みは0点だったと思う。
年上の女性だったし、いつもどおり気を遣いながら距離を取り話をする。

 

先輩はいつも通り緑茶ハイをいいペースで煽り続け、短時間でいい感じに酔っ払っていく。
僕もそのペースに追いつこうと、ビールをグイグイ煽った。

顔が熱くなり、テンションも上がり酔ってきたところ、カラオケの流れになった。
これぞスナック。

 

沖縄好きな先輩は相変わらず沖縄POPを熱唱する。
それをうっとりしながら隣で聞いている女性。
ここから一気に酔いが醒める出来事が起こった。

 

間に挟まれた僕の目の前で、先輩と女性がキスをし始めたのだ。

えっえっ!?ナニコレ!!?なんで俺呼ばれたん!?
何見させられてるん?めっちゃうっとりしてるやん彼女!?

 

本当に眼前で人様のキスを見させられる。
あまりに衝撃的な出来事に、酔いが一気に醒める。

 

これは、この女性は、先輩に抱かれに来ている。
だが僕が入って来て数分間は、おそらく僕を見定めていただろう。
しかしあまりにも消極的な僕に、早々に見切りをつけていた様に思う。
それを促したのは何より自分自身だということは酔いながらも理解していた。

 

結局、「オスみ」なのだ。「漢」なのだ。

 

それが例え見栄でもなんでもいい。
世の男性は女性にオス的な男らしい一面を見せなければ進展していくことはないのだ。


「オスみ」に関してはその先輩はもう本当に「オスみ」に溢れている。
男らしい。漢らしいのだ。オーラも。話し方も。下ネタですら。

ひたすらにオスなのだ。

いつでもへりくだって卑下している自分とは違う人種、「オス」。

彼はそれを体現しているような男性だと、僕は思う。

とても羨ましい。どうやったらそんなに自信溢れる挙動ができるのだろうか。
メスに相対し、オスであることをアピールできる。

その後もカラオケをしながら彼らは唇を重ねていく。僕の目の前で。

ハチャメチャに濃い緑茶ハイをいくら煽っても酔えなかった。


自分自身の「オスみ」のなさを心の中で嘆く。T.M.RevolutionWHITE BREATHを歌いながら嘆く。

やがて時は進み、もうとてもじゃないがいられなくなり、帰りますと宣言し、一緒に店をあとにした。

 

彼らは近所のホテルになだれ込んでいった。
オトナな時間がこれから催されているのであろう。

 

そんなことを思い今日も僕は何をやっているんだろうと深い溜め息をつきながら、冷たい雨が火照った体を刺す。


オトコ。オトコの見せ方。今までの人生で僕は何をやってきたんだろう。
どこでみんな学んだのだろう。その度胸はどこで身につけたのだろう。

 

また自分に対しひどい嫌悪感を抱きながら家路につき、久々のエモーショナルな体験に筆を走らせた。

オチもなにもない、再就職した33歳独身毒男の日常。
あざました今週も社畜します。

いつもより短い一週間ですが、皆さん気張っていきましょう。