こじらせ雑記

三十路チビデブ独身無職子供部屋おじさんはこれから人生をどう歩むのか。 好きな事、思った事をコンプレックスに乗せて吐き出します。

うまいラーメンショップうまい~ラーショの嗜み方~

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近所のラーメンショップ、通称ラーショ。
正式名称は「ラーメンショップ練間」らしい。だいたい「上溝のラーショ」とか「ネギラーメン」とか呼ばれているので、正式名称で呼んでいる人の方が少ない気がする。

 

各所に店舗が存在するこのラーショだが、各店味は全く違うらしい。
僕は近所のこのお店しか行ったことがないので他はわからない。

 

どうやら備品発注や材料の調達を本部が一手に担ってくれているだけらしく、
あとの味付けやメニューなどは店舗に一任されているのだそうだ。

 

3人の主要メンバー。

このラーショには主に3人の主要メンバーと、コワモテの店長がいる。
店長は早朝にしか見たことがなく、日中の営業はほぼ下記の3人で回している。

 

るろうに剣心の十本刀「"破軍(甲)"の才槌」に激似なおじさん。

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「あ~い!」が口癖のさかなクンに激似なお兄ちゃん。

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そして背が高くてちょっと偉そうにしているおじさん。

 

それぞれに個性が立ちまくっていて、見ていて飽きない。

 

味がブレる。それが上溝のラーショ。

このラーメンショップ、大きな特徴がある。
それは、「行く度に味が変わる」事だ。
原因は作り手による。3人それぞれ作るラーメンの味が全然違うのだ。

 

ネギラーメン中盛り、海苔トッピング、麺硬め味濃いめ。
これが僕の愛してやまないラーショの「中ネギ海苔硬め濃いめ」だ。

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着丼してからまず、麺とスープを絡ませる。
何故ならこの店では湯切りした後にその工程がないからだ。
麺は中央で固まって取りづらいし、スープにも全く絡んでいないので、
上に乗ったネギと麺をほぐしながらしっかりスープに馴染ませる。

 

この時注意しなければならないのが、海苔をスープに沈めない様にする事だ。
何故ならこの海苔、しっかりスープを吸ってくれるのはいいのだが、ヒタヒタになると箸ですくい上げた時に海苔が千切れてしまう。
こうなっては海苔の味をしっかり堪能できない。

 

この事に注意しながら、中央のスペースで麺とネギの「天地返し」を行う。
同時にチャーシューも丼の底に眠らせておく。
このチャーシュー、そのまま食べても大して美味くない。
しっかりスープに吸わせることで覚醒するのだ。

 

麺とネギがしっかりスープに馴染んだ所で、まずはスープの味を確かめる。
カウンターから作り手を確認し、今日のコンディションはどうなのか見極めるためだ。

 


一番僕の好みをわかっていて、尚且品質が毎回安定しているのがさかなクンだ。
程よいスープの濃さ、程よい麺の硬さ、いつものネギの量、
薄すぎず厚すぎず、小さくもなく大きくもないチャーシュー。
全てがちょうどよくまとまっていて、最後まで楽しめるラーメンを提供してくれる。
彼はこのラーショの主要メンバーの中で一番下っ端ではあるが、アルバイトの面倒見がいいし、元気で活気がある。
そして僕の注文を完全に把握していて注文するときに被せてくるくらいだ。

 

僕「中ネ…」
さかなクン「ギ海苔硬め濃いめですねー!!(ニヤリ」
僕「(わかってるやん…)」

 

近所のコンビニでたまたま見かけた時、レジにいる店員さんと仲良さそうに話していたのも好感度が高い。
疲労からか、たまに辛そうにしながらキッチンに立っていることもあるが、何か応援したくなるような、そんな存在だ。


本当に毎回味が違うのが十本刀「"破軍(甲)"の才槌」だ。
彼は最年長っぽい見た目にも関わらず、昔から味がブレブレだ。何年も通っているが、今でも変わらない。
硬めって言ったのに麺がダルダルで二度と来るかよと思ったこともあるくらいだったし(来ないと言ってない)、油多めなんて一回も言ったことがないのに多かったり、逆に全く入っていなかったり、ネギが少なかったり、とにかく本当にブレにブレたラーメンを提供してくる。
しかし今となっては、これがルーレットのようで楽しくなってしまっているのも事実だ。
もしかしたら、これが彼の長所なのかも知れない。


ノッポのおじさんはなんというか、最高レベルのものを出すことは決してないものの、普通よりほんのちょっと下くらいのレベルを安定して作り出す事が得意だ。
ちょっと麺が柔すぎたり、ちょっと油が少なかったり、ちょっとチャーシューが小さかったり。
基本的にどこか惜しい。


そんな3人のコンディションを、まずはスープで見極める。
この店、濃いめにしないとあまり美味しくないのに濃いめと言うととんでもなく濃かったり、濃いめと言っているのに薄かったりする。
薄いと基本的に最後まであまり美味しくない。

 

スープを確かめた後、まずは麺をひと啜りし麺のコンディションを見極める。
麺が柔らかいと最後まで食べきるのがしんどくなってくる。麺のコンディションはそのくらい重要なポイントだ。

 

スープと麺のコンディションを確かめた後は、ひたすら同じことの繰り返しになる。

丼周りの海苔を箸で一枚取り、海苔全体をスープに軽く浸し、ネギと麺を一緒にすくい上げ口へ運ぶ。
これがたまらん。海苔の磯の風味と、ネギのシャキシャキした食感、ちょっと固めの麺がスープによく絡み最高のハーモニーを奏でる。
我ながらいい表現ができた。書いててヨダレ出てきた。

 

15枚ある海苔を麺とネギのバランスを見ながら最後まで堪能できるように量を調節するのも、この「中ネギ海苔硬め濃いめ」の楽しみ方の一つだ。

 

ちょうど半分くらいになったところで、おろしにんにくを投入する。
すると一気にパンチの効いたスープになる。


更に箸が進み、終盤に差し掛かった所で「麺・ネギ・海苔・チャーシュー」を一気に箸で掴み豪快に口へ運ぶ。
これがシメの至福の刻である。
固めにチャーシューは個人的にそんなに好みではないものの、若干くたびれるまでスープを吸ったチャーシューは麺・ネギ・海苔とも最高に相性が良い。

 

全て平らげた後、氷が溶けキンキンに冷えた水を喉に流し込む。
これもうまい。濃いラーメンを食べた後のお冷は何故あんなに美味いのだろう。

最終ロスタイムは気が済むまで水とスープの繰り返しだ。

 

食のエンターテイメント。

全て平らげた後はすぐに丼をカウンターへ上げる。
「ご馳走様でーす」と言いながらすかさず1000円札を出し、カウンターに置かれた小銭入れから100円をスッと手に取る。
個人的なこだわりは、「900円ですね~」と言われる前に全てをわかっている感じで流れるように100円を抜き取る。もちろん店員さんがそれを見ているのを確認するのを忘れてはならない。

 

さかなクンはこの時「おっいつもありがとうございます!」とでも言いたげな表情で笑顔を浮かべる。

 

そしていつもの口癖、

「あ~い!どうも~!」

と言い僕を見送る。

 

そうしてスマートに会計を済ませ、ティッシュで口を拭き、入り口近くにあるゴミ箱に捨て颯爽と店を出る。

 

これが僕の「ラーショ流儀」だ。


ぶっちゃけて言うと激戦区相模原と言われているだけあり、ここより美味しいラーメン屋は近所に沢山ある。
しかし味がブレていても、店員同士がちょっと揉めてても、この店は注文してから退店するまで全てがエンターテイメントなのだ。

 

僕が知る飲食店の中でも数少ない、「食のエンターテイメント」を提供するラーメンショップ練間。
近所にお寄りの際は、是非一度立ち寄ってもらいたい。

 

 

初めてお越しいただいた方、ここまでお読みくださりありがとうございます。
そして僕はこんな人間です。

是非この記事もお読みいただけたら嬉しいです。

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