NakamuraEmiさんのライブを観て泣いてアップグレードした話。
昨日の続き。
小腹が減ったのでラーメンを頼んでお店の前で待っていると、関係者席からEmiさんのプロデューサー兼ギタリストのカワムラヒロシさんがこちらに近づいてきた。
途中、僕が着ているEmiさんのライブTシャツ、胸にでかでかと書かれた「NOUV5」の文字をガン見している事に気づく。
あーヤバい!めっちゃ見てる!!めっちゃ俺の胸のNOUV5見てるううううう!
と興奮している内に
「Tシャツ!!ありがとうございます!!」
と超爽やかな声を掛けてくださった。
思わずゴールを決めたような気分になり2002年日韓ワールドカップのベッカムのような仕草をしてしまった。
その日誰とも話していなかったのと緊張で声がうまく出ず、
「あ…た、、たた楽しみにしてます!」
と告白前の童貞のような声で返事をしてしまった。
軽く会釈をし颯爽と去っていくヒロシ氏。惚れた。
衣装も白のオーバーサイズTシャツにチェックのベージュパンツ、足元はパンツの裾を軽く折り返してVANSのSK8-HIが映える。
カッコ良すぎるだろ…。今度真似しよ…。ベージュでチェックのパンツ買ってくるわ。
丁寧にラーメンを作ってくださった五ノ神製作所の方、僕をあの場に留まらせてくれて本当にありがとうございました。
一生の思い出になりました。
サウンドチェックに酔う。
うまいラーメンをすすっているとサウンドチェックが始まり、ヒロシ氏のギターが鳴り響く。
「BEST」のイントロが流れる。
あー…。音源と同じ音がする…。
イヤホンからしか聴こえなかった音が直接耳の中に入ってくる。
今日やっぱりこれやってくれるのかな。生で聴くのは初めてだな。
もうサウンドチェックなのにテンションが上がりまくってしまう。
するとEmiさんもツリーチャイムを持って登場してきた。
相変わらず、小さい。皆口を揃えて言う。
この小さな身体のどこからあんなパワーが出てくるのかと。
Emiさんもマイクを握り、歌い始める。
マイクの持ち手が木目調ですごくオシャレだ。
ダンスフロアに鮮やかな光~♪
えっ!!?なに!?ブギーバック!?カバーやんの!?今日どうなってんの!?
驚きはまだ続く。
気まぐれを許して~♪
あっ!!えっ!!?本能!!?どうなって…
途中で気づく。
ああ、お客さんの前だから今日これから演奏する曲は出さないんだと。
しかし好きなアーティストのカバーが聴けるなんて幸せでしかない。
最後の~花火に~今年も~なったな~
なんなんもう僕のプレイリスト覗き見したん?と思うくらいドツボにハマった。
尚もサウンドチェックしながら歌っているといつの間にかフリースタイルへ。
ギターのサウンドに乗せながら
「挨拶もしてないのに歌っててごめんなさい」
と謝罪するEmiさん。まだ始まってもいないのに、湧く観客席。
これがフェスか。これがフェスのご褒美だ。
これだけでこの日来た価値があったと思えた。
参加しようか結構悩んだが、来てよかった。
開演。
あっという間にサウンドチェックは終わり、NakamuraEmiさんのステージが始まる。
開口一番の挨拶に正直ビックリした。
皆さんはじめまして、NakamuraEmiです!
言ってもこの御方、メジャーデビューして 4~5年目だ。
そんな人が未だに「はじめまして。」の心を忘れていない。
更にしきりに配信のカメラを気にしていて、綺麗に背筋を張ってきをつけの体制で、画面の向こう側にいる方に対してとても丁寧にご挨拶していたのがとても印象的だった。
1曲目は「Rebirth」。
Emiさんの曲の大きな特徴の一つは、自身の生い立ちや思いがリアルに歌詞に綴られている点だ。
まさにこの曲ははじめましての人に対して自己紹介をするような曲だ。
2曲目は「大人の言うことを聞け」
以前の記事で紹介しているので↓からどうぞ。
2年ぶりに聴く生の歌声はどの曲も言葉に表せないくらい心に響いた。
そしてこの日一番良かったのは「ボブ・ディラン」だ。
自分自身へのご褒美として好きな事をする「私」と浴衣を着て嬉しそうな子と母親の対比。
もしかしたら自分にもそんな未来があったのかもしれないと思わせるような内容だ。
西日が木々の間から軽く差し、涼しい風が吹き始めた会場内。
ひぐらしの鳴く音と、Emiさんの奏でる楽器から波の音がこだまする。
山の中で響き渡るギターと、歌声と、ひぐらしと、波音。
コロナでライブが40本以上飛んでしまったという彼女は、人前で歌うのは半年ぶりだという。
一曲一曲、丁寧に歌っているなと思ったがちょっと違った。
歌詞の一節一節を大事に大事に感謝しながら歌い上げている感じが伝わってきて、思わず泣いてしまった。
初めてこの曲を聴いた時、Emiさんを紹介してくれた友人と
「ちょっと死にたくなるくらい良い曲だな」
と言い合ったのをよく覚えている。
曲の最後は、こう締めくくられる。
今日も恋愛に不向きだ 目をそらす癖は無くそう
ダメなところもみせておこう これからも女性でいよう
友人も僕も、お互い彼女と別れてから数年間彼女がいない状況で腐り始めてきた中、この曲を聴いて一念発起し合コンをしまくった事を思い出した。
とはいってもお互いほぼ全滅だったのだが。頑張る方向性をちょっと間違えた
(笑)
そんな思い出の曲をこんな環境で聴けるとは思っていなかったので、それはそれは感動してしまった。
彼女の歌の特徴の一つに「歌とフロウを行き来する」という点がある。
いわゆるPOP調な曲のメロディに沿ったような歌い方と、ラップのような歌い方(フロウ)を行き来する。
ライブではよりフロウに傾倒し、ラッパーのような佇まいを感じさせる瞬間が多々あった。
音源もとても良いが、やはりこの人はライブの人だ。
昨日はより強くそう思った。
声を張り上げて声援を送れる日が早く来るといい。
マスクをしていれば声を出してもいいですよ、というガイドラインはあったのだが、僕個人としては声を張り上げる事に対して結構抵抗感があった。
その代わり、
「しっかり聴いてます。とても良かったです。」
という気持ちを込めて一生懸命拍手した。
先程行われていたインスタライブでもその話に触れていた。
僕と同じ思いの人は多かったのではないだろうか。
本当はEmiさんが大喜びしてくれるくらい声を張り上げたかったが、我慢した。
今思うと、もっと声を張り上げて盛り上げても良かったのかもしれない。
でもそれで嫌な思いをする人がいたら嫌だなと思ったし、何より自分がそう思われてしまう事に対しての嫌悪感の方が強かったのかも知れない。
結局、自分可愛さにそんな自己判断をしてしまった。正直正解はわからない。
ただ、最後YAMABIKOのコール&レスポンスでマイクをこちらに向けていたEmiさんの笑顔が頭から離れない。
今回のライブフォレストは、出演する側も結構な葛藤があったのだと思う。
だが最終的には観客も出演者も主催者も、「個人の判断」でこの音楽祭に参加した。
昨日も主催者の訴えを引用した。
参加者のみなさんの意識改革、成長、行動変容が必要です。
このご時世を生きる上で、なんとなく人としてアップグレード出来たような気がした出来事だった。
今は一日でも早く、昔のように声を張り上げて声援を送れる日が来るといいと心から願うばかりだ。
初めてお越しいただいた方、ここまでお読みくださりありがとうございます。
そして僕はこんな人間です。
是非この記事もお読みいただけたら嬉しいです。